”表現”の修復

建築物の修復においては、その建築物が建てられた当時の技術的・生産的条件を明らかにし、辿り直すことが求められる。しかし、それらを明らかにし、忠実に再現しただけでは、十分な修復とは言い難い。そうした技術的・生産的条件=制約の中からはみ出ようとした当時の棟梁達の「勢い」のようなものまで含めた修復はいかにして可能だろうか。

森本英裕

職藝学院
専門分野|歴史意匠
活動地|富山県富山市
生まれ|1982

[現在のプロジェクト]

当方が所属している“大工と庭師の専門学校「職藝学院」”では、歴史的建造物の修復・復原新築等を授業の一環として行っている。寺院や神社、民家や土蔵・茶室などの富山県内に残る地域文化財を対象として、実測調査から修復設計・施工まで、これら一連のプロセスを統合的に行っている点に特色がある。1.実測調査に基づいて図面化・修復設計を行う場として、2.大工を目指す学生が棟梁に指導を受けながら、過去の(伝統)工法を辿り直し、技を学ぶ作業場として、3.多くのOBの大工達や様々な他職種の職方との連携の場として、など修復作業を通して様々な場が重なり始める。こうした場の重なり合い方を考えることが、当方にとってのプロジェクトである。

2016 教育更新歴史認識

森本英裕

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