30年後の都市と、建築のためのウェブプラットフォーム

まちつぎ

まちには積み重ねられた多くの物語がある。地域の空間や風景を構成する様々な要素は、その「物語」をつなぎとめる手がかりだ。「まちつぎ」の「つぎ」には、3 つの意味がある。地域に眠る記憶・歴史を元に、まちを継承する後継ぎとしての“継ぎ”。出会わなかった人やものをつないで新しい価値や活動を生み出す“接ぎ”。そして、様々な人々と協働しながら、次世代の地域の姿を共に考える“次”。まちを見渡せば毎日のように「ここにしかないもの」が消え、「どこにでもあるもの」に書き換えられている現代。気づけば私たちのルーツを確認しうる大切な文化資源までもが失われつつある。まちの文脈が断絶すれば、次世代に残すべき地域のあり方を創造することも難しい。今、あちこちで解体されようとしている物語を、私たちはどのようにつなぎとめ、過去から未来へと創造的に受け継いでいけるだろうか。

撮影/望月ロウ

栗生はるか

文京建築会ユース/mosaic design
専門分野|都市/地域
活動地|文京区他
生まれ|1981

[現在のプロジェクト]
2011年より東京の文京区を拠点に「文京建築会ユース」という団体を牽引している。日常の見過ごしがちな豊かさを掘り起こし、様々な切り口で発信、地域の魅力として共有する活動だ。路上観察的にまちをつぶさに見つめる一方で、大きく引いた視点から都市の変化を捉え、それらを“地域の生態系”として考察する。対象は狛犬、長屋、印刷工場、旅館……と多様だが、中でも力を入れているのは都内で一週間に一軒のスピードで廃業している「銭湯」。「ご近所のぜいたく空間“銭湯”」と題し、再生・活用提案、巡回展やキャンペーン、写真集、ドキュメンタリー映画などの製作・実施、ドロ−ンや3Dスキャンなどの記録……様々にアプローチをし、現代地域社会における可能性を摸索している。都内600軒現存する「銭湯」が、経済の論理で安易に建替えられるのではなく、地域の拠点としてクリエイティブに活用できれば東京はもっと魅力的な場所になるだろう。目下、メンバーと共に、多くの専門家や地域住民の力を借りて動いている。社会を変えていてく新たな手法として徐々に手応えを感じている。
2016地域資源マネジメントサスティナビリティ

「ご近所のぜいたく空間“銭湯”」展、写真集「文京の銭湯」、おとめ湯見学会

1 comment for “栗生はるか”

  1. 長谷見雄二 より:

    地方出張する時など、日帰りでも銭湯や温泉の共同浴場に入ることあるけど、地域の医者が入浴に来ていて、湯船で何人もの老人と雑談しながら、健康チェックしたりしているのに遭遇して驚いた。聞いたら、予防医療は、病院には来ないがそこそこ不健康な人相手なので、銭湯はなかなか良い場であるとのこと、ハダカだし。関西では、体中、彫り物のお兄さんが入っているのを誰も咎めることなく、そして、そのお兄さんが入浴を終えると、「ありがとうございました!」と言って一礼して出ていったのも中々格好よく、「入れ墨お断り」という一言では片づけられないある種の共同体やカルチャーがあることが伺えました。家族でもないのに、最も無防備なハダカで、密室で人がごろごろしていられる点、銭湯や温泉は不思議な空間だけど、それが生み出す共同体や効能も、見捨てたものではないのではないだろうか。。。。それはともかく、頑張ってくださいね。

コメントを残す

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

*

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。