まちと育つエリアマネジメント
広範な取り組みを包含するエリアマネジメントの取り組みの中でも、パブリックスペースの活用、クリエイティブネイバーフッドの創出、そしてボトムアップ型のプロジェクト創発といったテーマを軸に様々なプロジェクトを展開しているが、もしかするとこれらは従来の建築家の担うべき役割の範疇を逸脱しているように見えるかもしれない。しかし、自らが設計した”場”が誰に利用され、そこでどのようなコミュニティが育ち、その結果、その”場”が都市の中でどのような役割や機能を担い、都市のベクトルにどう影響を与えるのかといった”場の成長のプロセス”を体験したいというフィジカルな欲求が全ての出発点であり視点である。圧倒的な多様性によって有機的に変容し続ける現代の都市において、ある断面からの”答え”を提供するのではなく、共に考え、つくり、そして共に育っていくことのできる都市のパートナーが今求められているという実感がある。

大沢雄城
株式会社オンデザインパートナーズ
専門分野|意匠/都市
活動地|神奈川県横浜市
生まれ|1989
私が所属するオンデザインは横浜市を拠点に活動する建築設計事務所だが、その中でも民間主導によるエリアマネジメントを軸としたプロジェクトを担当している。
具体的には、横浜市関内エリアの老朽化した空きビルをクリエイター向けスモールオフィスを中心とした複合施設へ改修するプロジェクトの事業計画から企画プロデュース、設計、そして完成後の運営まで一貫してビルオーナーと二人三脚で取り組む「泰生ポーチ」、横浜DeNAベイスターズが本拠地である横浜スタジアムと横浜公園の活用を通じてエリアの活性化に取り組む「コミュニティボールパーク化構想」のディレクション、そして横浜市の郊外住宅地であるいずみ野線沿線におけるまちづくりビジョンの策定から地域拠点の運営までなど、大小様々なスケールのプロジェクトを常に横断しながら活動を展開している。
全てのプロジェクトに共通しているのは、クライアントや関係者と一緒に考えながら実践していくというスタンスである。
(02のみ):菅原康太