30年後の都市と、建築のためのウェブプラットフォーム

出来事の風景

使い手によって空間の意味付けが更新されること、空間によって使い手の動きに新たな意味が加わることは、「出来事」によって引き起こされる。想定していなかった使い手の動作や空間の使われ方が起きるイレギュラーな事態を「出来事」の表出とするなら、町はその連続で風景を変えていると言えるのではないだろうか。個々の建物はその時々で最適な形にアップデートされ、建物の特性は使い手の新たな活動の契機となる。今までの建築制度を揺り動かすかのようにセルフリノベーション・DIYという言葉が台頭している。使い手が施工者の一員となり、設計にも直接的に関わる光景をよく見かける。使い手と設計者が協働し、建築や町を可塑的なものと捉えて空間の意味付けを変えていく。形を変えていく建物とその使い方を変える人々。そこに見えてくる建築の正体を、人や建物の動作(ふるまい)の変更履歴である「出来事の風景」と呼んでいる。

川原卓也

吉川晃司
筒井佳樹

スタジオまめちょうだい
専門分野|意匠
活動地|東京都墨田区
生まれ|1985

[現在のプロジェクト]
東京都墨田区で廃業したプレス工場をリノベーションした「float」を拠点に活動を続けてきて5年になる。2012年5月に東京スカイツリーがオープンする9ヶ月前から町をリサーチして分かったことは、下町の風景が再開発によって大きな変化を迎えていることである。そして周辺に「オルタナティブスペース」と呼ばれる文化拠点が多数存在し、今もなお増え続けていること。建築ユニット「スタジオまめちょうだい」では、再開発による都市の更新とは別の、町の風景の更新方法を模索・実践してきた。集合住宅の1角を改装した「あをば荘」は、集合住宅全体の空室率を徐々に下げ、空きテナントを活用した新たなスペースを派生させるきっかけとなった。ハードの設計だけでは得られない濃密な空間創出の成果を「出来事の風景」と命名し、改装の過程で様々な人たちを巻き込みながら、可能性の種を植え付けるように設計活動を行っている。
2016場づくり参加マネジメント

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