昨年のパラレルセッションズでは、「プロジェクト・リノベーション」をテーマとし、参加者それぞれがプロジェクトを持ち寄り、協働可能性やプランのアップデートに取り組みました。極めて具体的にそれぞれの課題や状況に向き合うことで、現在の社会状況を反映した建築プロジェクトのさまざまな「かたち」が見えてきました。そこで今回のパラレルセッションズでは、この多様化する建築プロジェクトの「かた」に着目します。

かつて建築家の菊竹清訓氏は、現象としての「かたち」から、その成り立ちの法則性を示す「かた」を抽出し、その原理・理念としての「か」へと至るという「か・かた・かたち」の三段階論を、デザインの認識論的プロセスとして提唱しました。現在、この「かたち」が建築物にとどまらず、より多様な「プロジェクト」へ移行しているのであれば、その「かた」はどのように変容するでしょうか。その際、これまでの「かたち」に対応していたビルディングタイプやタイポロジーなどの空間を構成する形式としての「かた」は、プロセスやチーム体制なども含んだものへと変化するかもしれませんし、あるいはプロジェクト自体を成立させる枠組やマネジメントの手法にまで拡張できる可能性もあるでしょう。今回の取り組みは、いわば「かた」そのもののありようを「メタ」に考える思考実験とも言えます。

みなさまの参加によってこの「メタなカタ」の議論が、これからの社会に対する新しい理念や建築の原理へとつながっていくことを期待します。

Entry参加者募集

- エントリー制によるオープンなディスカッションイベント

- 建築に関わる様々な専門分野間の協働可能性を考える

- これからの建築と都市の関係を考えるための問いに答える

2016年、日本建築学会創立130周年記念として開催された特別企画「パラレル・プロジェクションズ」の初日と後半の3日間に実施した同名のイベントでは、自らエントリーした参加者の積極性と前向きさ、また自らの実践に即することで、予定調和に陥ることのないスリリングな場が展開されました。パラレルセッションは、この場を継続するために2017年から実施される、異なる専門性を持った参加者によるエントリー制の議論の場です。 それぞれのセッションごとに設定されたこれからの建築を考えるための問いかけを、ワークショップ形式で議論し、その答えを参加者の皆さんで探ります。

4回目の開催となる今年は、セッションごとにリーダー、テーマを予め公開した上でエントリーを募集します。また、本エントリーに先立ち、セッションリーダーからの推薦による事前エントリーを実施することで、各セッションの展開をより具体的にイメージできるように企画しました。6つのセッションでは、それぞれのリーダーの掲げるテーマ(問いかけ)についてワークショップ形式で議論し、これからの建築と都市、社会の関係について考えます。尚、セッションは10/20に東京・田町の建築会館にて、すべてのタイムテーブルを公開して開催されます。
自分のプロジェクトについてフィードバックが欲しい、人的ネットワークを広げたい、建築についてじっくり議論したいなどの理由でも結構です。ぜひ、この機会にパラレルセッションズを経験してみてください。皆さまからのたくさんのエントリーをお待ちしています。


※昨年度までに開催されたパラレルセッションについてはこちら(→http://bunka.aij.or.jp/para-projections/)をご覧ください。

[ 募集概要 ]

対象: 建築の教育を受けた方、または、建築に関する活動を実践している方
建築に関するプロジェクトを進めている方
※学会への加入は問いません
※年齢制限はありません

定員: 50名((超過の場合でも対応を検討))
※原則個人での応募とします(グループでも可)
応募方法: 本エントリーページよりご応募ください。

応募締切日: 2019/10/1

[ ボランティアスタッフ募集 ]

会期中の運営に関わって頂けるサポートスタッフ(学生可)を募集しています。 ご希望の方はこちらまでおしらせください。

[ 開催までの流れ ※変更になりました ]

8/5(月)エントリーページオープン|ゲスト発表
9/8(月)参加者エントリー締切
9/22(日)参加者決定通知
10/1(月)エントリー二次募集締め切り
10月上旬特設ウェブサイトオープン
10/20(日)"セッション"当日+完全撤収

About

[ 開催概要 ]

本企画は、日本建築学会というプラットフォームの価値を最大限に駆使して、建築に関わる人材を一同に集め、分野や世代、価値観が並走する複数のセッションを通して、建築の現在的な意義を共有し、発信するための運動体です。

[テーマ]

"メタなカタ"

[ 開催日時 ]

2019/10/20(日)13:00 - 19:30

[ ゲストメンター ]

近藤哲朗|株式会社そろそろ 代表取締役社長/ビジネス図解研究所主宰
古澤大輔|リライト_D 代表・日本大学理工学部建築学科助教
田中里佳|国土交通省中部地方整備局浜松河川国道事務所長

[セッション概要]

■ セッション28
テーマ:「メディアプラクティス」としての建築は可能か?
セッションリーダー:伊藤孝仁|tomito architecture 共同主宰
> 詳細

■ セッション29
テーマ:リノベーションの新時代はアジアから拓くのか?
セッションリーダー:川井 操|滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科准教授
> 詳細

■ セッション30
テーマ:デザインとオペレーションの相互フィードバックの可能性とは?
セッションリーダー:勝亦優祐+丸山裕貴|勝亦丸山建築計画
> 詳細

■ セッション31
テーマ:設計業(者)の多角的な活動による新しい組織のかたちとは?
セッションリーダー:森元気|森元気建築設計事務所主宰
> 詳細

■ セッション32
テーマ:市民参加型アクションは都市のプランを変えることができるのか?
セッションリーダー:小泉瑛一|オンデザインパートナーズ
> 詳細

■ セッション33
テーマ:ボランティアマインドは公共空間をどのように変えるか?
セッションリーダー:山口陽登|シイナリ建築設計事務所主宰
> 詳細

[タイムテーブル]

Session28Session29Session30Session31Session32Session33
セッションリーダー伊藤孝仁川井操勝赤+丸山森元気小泉瑛一山口陽登
ショートプレゼンテーション:55min(参加者全員による活動紹介)
13:00-13:55
14:00-14:55
ミーティング1:45min(それぞれの活動の共通点を探る)
15:00-15:45○(近藤)○(田中)○(古澤)
15:50-16:35○(近藤)○(田中)○(古澤)
クロストーク:20min(ゲストメンターによるバトンタッチ)
16:40-17:00
ミーティング2:55min(ミーティングで議論した共通点からセッションの問いに答える)
17:00-17:55○(古澤)○(近藤)○(田中)
18:00-18:55○(古澤)○(近藤)○(田中)
エンディングトーク:30min(ゲストメンター、参加者全員が参加し、セッションの振り返り、「メタなカタ」についてまとめを実施)
19:00-19:30

※すべてのセッションは公開され、エントリーの有無に関係なく無料で参加(聴講)していただけます。
※括弧内は担当メンターを示します。

[ 会場 ]

建築会館ホール(東京都港区芝 5-26-20)

[ 主催 ]

日本建築学会

担当委員
辻 琢磨|403architecture [dajiba] 共同主宰

川勝真一|RAD共同主宰

Contact

pp_info@aij.or.jp

※お問い合わせは上記メールアドレスまでご連絡ください。
日本建築学会事務局とは別窓口となります。