平熱の街

まちの賑わいの衰退が語られることの多い中で、都市がこの先、健康的に続いていくには「平熱」を保ち続けることが重要と考えます。スプロール状に顕在化してきた空き家や空き地を低体温の場所、大型施設や集客が多い商業施設を高熱の場所としてみた時、この両者の体温は移ろいやすく、決して持続的ではありません。その両者に対しての有効な処方箋は、小さな熱量のモチベーションを集めてつなげることだと考えます。これらの小さな粒をマネジメントし続けていくことで、やがてそれぞれの平熱を取り戻し、体温の下がらない健康的な都市になっていくのではないでしょうか。

植野聡子

メディアプロジェクト・アンテナ、フリーランス
専門分野|まちづくり
活動地|静岡県浜松市
生まれ|1985

[現在のプロジェクト]

メディアプロジェクト・アンテナのプロジェクトとして、10cm角から出店できるレンタルスペース「ニューショップ浜松」を中心市街地で運営しています。出店者の代わりに、店舗運営に関わるレジ管理、在庫管理、ウェブ管理、接客、広告などといった、いわゆる委託販売業務を行うのと同時に、店舗の運営をまちづくりやタウンマネジメントの視点でも実践しています。
具体的には、出店者同士の交流、オーダー制作の受注、イベントの提案や補助など、各出店者へ合ったマネジメントを行い、彼らが社会とつながる回路を多く太くしていくことで、店頭に並ぶ商品の販売だけでない出店の意味や目的が生まれてきているのではないかと考えます。
地方都市の中心市街地における新規参入店舗は、大手チェーンの飲食業が大半を占め、日中に営業する個人経営の物販店はわずかですが、丁寧なマネジメントを積み上げていくことが都市の風景を変えるきっかけになるのではないでしょうか。

2016 サスティナビリティマネジメント中心市街地
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