30年後の都市、100年後の森

都市しか見えていない建築に未来はない。 今しか見ず、その場所だけで完結してしまう建築は消費され、過去にもならず、未来になることもできない。建築行為が過去と未来、人と人、都市と森の橋渡しとなったときに初めて未来を創る建築ができる。文化、歴史、環境、人、物をどう次世代につなげていくかを考えたとき都市で完結していた建築は森を視野に入れる。国土の67%が森林である日本において、森林の未来は都市の未来と同義であり、その未来を創りだすための建築が必要である。ただ物質的に木材を利用しすればよいということではなく、どのような未来を創りだすために、建築プロセスを選択するかが重要だ。都市と森を最適化する機能が建築にはある。異なる場所、異なる時間軸を持つ都市と森の間をつなぐ建築こそが未来を創り出せる。

竹内優二

有限会社ウッズ一級建築士事務所
専門分野|意匠
活動地|兵庫兵庫県丹波市
生まれ|1985

[現在のプロジェクト]

兵庫県丹波市で森林管理、製材加工、建築設計を行っている事務所に所属している。森林面積75%の地域でこれからの都市の未来には森とのつながりが不可欠だと考え、その橋渡しとなる建築が必要と考え建築設計を森から考えて行っている。都市は森を内包してると考え、健全な森がなければ本当に豊かな都市は生まれないと考えている。現在、国産木材の利用が推進されているが、物質的に使えばいいというだけでは森の未来にコミットしているとは言い難い。30年後の都市の未来を考えるように、100年後の森の未来も同じレベルで考えて建築を生む。
具体的には、森林調査で森の現状を計り、これからどのような森を目指すのかを考える。そして都市が必要としている建築を生むプロセスに森林の木材がどのように活用できるのか、そのプロセスに誰が必要なのかを考えていく。都市と森、過去と未来、人と物を最適化する建築行為が森から生まれる。

2016 サスティナビリティ材料生産
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