距離の設計

毎日寝て、起きて、仕事して、ご飯を食べて。何をするにもその背景には建築と空間が映りこんでいる。にもかかわらず、建築が遠い。建築を取り巻く要素は、あまりに膨大であり、すでにそこにある風景として、人々の関心の対象になりづらい。職人がつくれば、その家具と依頼主の距離を緊密にむすぶことができるし、量産することで依頼主を超えて多くの人々とつながることができるだろう。建築とは、そういう無数の距離の設計の集積ではないか。意識的に距離を設計することで、建築をより日常意識に向けて解放することができるのではないか。

中村俊哉
藤井 愛

ship architecture 一級建築士事務所
専門分野|意匠
活動地|東京
生まれ|1984

[現在のプロジェクト]

われわれは建築の設計のみならず、家具や照明、植栽、ファブリックに至るまで設計をしております。
それはトータルでものづくりをしていきたいという範疇を超えて、小さなものを自分たちでつくっていくような感覚で建築をつくっていきたいという気持ちがあります。それは同時にいろいろなスケールを等価に扱うということでもあります。
私たちは普段まちを歩いているとき、目に見えてくる情報をもとに世界を認識しますが、例えばそのひとつ上や下のスケールを創造してみます。それによって浮かんでくるまちの構造や見えなかった関係性に気が付きます。世界が突然広がったように感じられます。それらをパラメータとして建築をつくる方法を組み立てたいと思っています。 1/500から1/1まで、建築が扱いうるスケールは様々です。それらのスケールを横断しながら設計することで、風景やまち、インテリアやディテールがいっぺんにあらわれるような建築になるのではないかと思います。その建築的な透明さが明るく豊かな生活をつくっていくと期待しています。

2016 環境生産職能の拡大

Photo by Takumi Ota

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