ZEC(ゼロ・エネルギー・シティ)

環境建築の系譜を辿るために、中村勉氏の論稿「第5世代の環境建築から2050年再生に向けて」と中村美和子氏による論稿「環境建築の5つの世代の歩みと潮流」を参照した。これらの論稿によると、環境建築の系譜は第一世代から第五世代に体系化されており、第五世代は「環境建築総合化技術の時代」として2005年よりスタートを切っている。その延長線上にある環境建築第六世代について考えてみたい。現在、私は都市型高層建築では国内初となるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を目指した事務所ビルを設計している。その一方で、環境問題と対峙するには建築単体で考えるのではなく都市全体まで視野を広げる必要があることも感じている。都市全体への「普及力」が求められているのである。そのような汎用性をもった環境建築群による都市を「ZEC(ゼロ・エネルギー・シティ)」と位置付け、2050年までの実現に向け今後も取組んでいきたい。

鬼頭朋宏

大成建設株式会社
専門分野|建築設計
活動地|大阪府大阪市
生まれ|1987

[現在のプロジェクト]

私は、大成建設(株)の設計部に所属している。現代建築を設計するにあたり対峙する課題の一つとして、地球規模で起こっている環境問題については、建築が多大に影響を与えてしまっている現状を鑑みると設計に携わる一人として真摯に受け止めざるを得ない。建築設計を通して、我々に何が可能か。
現在、大阪市内で設計を進めている事務所ビルでは、最先端の省エネ技術を多数導入し、都市型高層建築では国内初となるZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を目指した次世代型環境建築の実現にむけて日々設計活動に勤しんでいる。また茨木市に昨年竣工したアース環境サービス(株)彩都総合研究所T-CUBEでは自然通風、自然換気といったパッシブデザインや地場植生を再現したランドスケープデザインを行うなどしてCASBEE最高ランクである「S」ランクを取得し、最先端の環境建築を実現した。

2016 シミュレーション汎用性環境
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