multi-skill development

現在、近代化による分業制を進めていった結果、人口減少や衰退の進む地方都市には特定の能力(専門性)を持った人材を活かす場面が少なくなりつつなる。あるいは伝統的な技術や産業を持つ地域でもそれを受け継ぐ人材や資金を確保することは非常に困難である。今まさに、建築家に求められるのは、これらの状況を統合する力を持つことである。あるいは身体を使ってその一部を担う場面も出てくるだろう。建築教育においても、設計・構造・環境の分化された専門性ではなく、高度な”多能工化 multi-skill development"を目指していきたい。

jyutaku kenchiku

川井 操

滋賀県立大学環境科学部環境建築デザイン学科
専門分野|計画
活動地|滋賀県
生まれ|1980

[現在のプロジェクト]

【2017】これまで一貫してアジアの都市農村問題に関する研究に取り組んできた。現在では、北京市街地におけるスラム的現象「城中村・大雑院」の発生原理とその改善手法、貴州省少数民族の観光地化と保存開発のあり方、メコン川流域の水上建築にみるサスティナビリティに関する研究等を進めている。
これらの研究の中でも、北京中心地区に密集して現存する伝統住居四合院には、雇用を求めた地方都市からの流動民や複雑な所有関係で下で暮らす北京人が数十世帯で混ざり合って暮らし、増改築を繰り返す「大雑院」化した状況に陥っている。一方でこの地区を再開発することは住民への巨額な保証金が必要とされてしまうため、住民を追い出した後に開発がストップしてしまい、半ば「廃墟」のようなエリアも現れている。こうした状況を逆手にとって、大雑院の一部を借りて改修を試みる日本人建築家がいる。彼らと恊働して、世界的にも稀な歴史的空間資源を持つ北京において、如何に再開発原理に回収されない計画や設計手法を提示できるのかを試みている。 【2018】 本プロジェクトは、アウトカーストの中でももっとも順位の低い位置とされるダリッド(指定外カースト)の人々が暮らすハティヤール村(正式な綴り:Hathiyar)において、Khadiと呼ばれるインドの歴史的な背景をもった糸紡ぎの雇用創出の機会をつくることを目的とする。 近年ではインド国内の中流階級以上から、カディが見直され再び注目をあびている。カディに取り組む、西ベンガル・ムルシダバード村でも、2013年ごろまでは手紡ぎ・手織りの需要がなく困窮していたが、ここ数年では注文に追いつけないほどの需要が出てきている。 インドと近江八幡を拠点にして、アパレルブランドを展開する合同会社NIMAI-NITAI、滋賀県立大学芦澤竜一研究室との協働プロジェクトとして、カディを使った女性雇用の機会のために、ハティヤール村に作業所の建設を実施予定である。 【2019】セッションリーダー 参加セッション:セッション29「リノベーションの新時代はアジアから拓くのか?」

2016201720182019 ローカリティ教育材料海外生産職能の拡大観光

1,2枚目:2017年度、3枚目:2018年度(全て撮影は川井操)

TOPに戻る

Turn your phone

スマートフォン・タブレットを
縦方向に戻してください