IT教育時代
Scratchは、現在世界中の子供達にプログラミングの導入教育に使用されているプログラミング言語である。この言語は、ブロック遊びの感覚でアルゴリズムの流れを学習出来るようにMITで開発されたものである。開発を担当したミッチェル・レズニック教授は、「プログラミングを学ぶことはプログラマーになるためだけではなく、創造力と思考形成を養う未来のリテラシーとして必要だ」とした主旨を語っている。日本でもひとつのリテラシー教育として、2020年代から義務教育の中にプログラミングなどのIT教育が導入される。すでにメディアやインタラクティブ系の高等教育機関では、MAX、openFrameworks、VVVV、Grasshopper、Processingなど、形態操作を扱えるプログラミング言語などを用いた新しい教育方法を構築し、それを実践している。こうした社会の変容を受け、これからの建築教育も「IT教育時代」に対応した教育方法についてより力を入れて取り組んでいかなければならないのではと感じる。
尹 智博
神戸芸術工科大学
専門分野|歴史
活動地|兵庫県神戸市
生まれ|1984
私は、神戸芸術工科大学で助教として勤めている。これまでは学士課程で建築を学び、修士課程で複数のプログラミング言語と音楽を学び、博士課程でデ・ステイルについて科学研究費の採択と博士号を取得した。
これらの複数領域での学びを通して、私は現在大学でプログラミングと音楽と芸術学などの講義や演習を担当し、インタラクションデザインの教育方法について研究を行っている。
現在取り組んでいる活動は、文部科学省が2020年代から義務教育にプログラミングなどのIT教育の導入を決定したことから、義務教育でも実践出来うるプログラミングとデバイスの連携とデジタルファブリケーションを用いたステップアップ教育の方法を構築するために様々な教育実験を行っている。その一例として私は、3DCGソフトウェアRhinocerosのプラグインGrasshopperを用いてアルゴリズムにより形を構築し、それをデジタル工作機器によって制作していく造形教育などを行っている。