建築から都市を、都市から建築を
建築が都市を構築しているのか、都市の一部として建築が存在するのか、といった問いは、いつの時代も議論が尽きないテーマである。私達の世代を含め、現代はこうした議論にあまり積極的でないように思う。これらを議論する上で重要な「人」を含め、今一度、この問いから議論を始めるべき時なのではないだろうか。(どのような問いを発するのが良いのか具体的に書いてほしい。なぜ人が重要でどういう議論がしたいのかなど)
藤賀雅人
工学院大学建築学部まちづくり学科
専門分野|都市 / 法規 / 歴史
活動地|新宿区西新宿、墨田区向島、岩手県陸前高田市 ほか
生まれ|1985
[現在のプロジェクト]
終戦直後の建築・都市計画法規提案であった「建築法」や「宅地法」「都市計画法」の検討過程を明らかにする研究を進めている。この時期は新しい時代に向けて、抜本的に建築と都市の仕組みを模索した時期である。既成概念にとらわれず、将来を見据え本当に良いと思われる制度を提案した様子は建築・都市計画の位置付けが揺らいでいる現代だからこそ、掘り起こす価値があると感じている。
この研究の中で、都市計画分野に対して建築担当者が多くの提案を行っていること。都市計画分野は建築の場を作るという意識が強くある点が個人的には興味深い。換言するならば、都市における建築の意味を強く位置付けようとした時期とも言える。社会背景は異なるが、これからの建築系都市計画考える人々には、こうした建築を光らせる思考やスタイルが一層重要になっていくのではないだろうか。