これからのシェア

2000年代後半、首都圏を中心にシェアハウスという住まい方が爆発的に人気を博した。テレビやメディアの影響もあるが、時代の変化で、物事を消費から共有することに豊かさを感じる傾向が強まったことが一因している。シェアハウスは、首都圏では余裕のある社会人が生活を楽しむ目的で主に作られていたが、地方ではそのニーズは弱いため同モデルで作っても事業性は薄く、地域環境に沿った独自のシステムを築く必要がある。その解答のひとつに、私が始める次世代下宿事業があると考えている。特に京都においては、学区制度や下宿文化の側面からみても、住民のシェア思考は成熟しており学生も多いため地域性と相性が良い。また、シェアハウスでは難しかった地域参画の効果や、災害時の一時的居住空間としてのネットワーク構築も図れると考えている。

岸本千佳

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専門分野|不動産・都市
活動地|京都府京都市
生まれ|1985

[現在のプロジェクト]

私は現在、京都で不動産プランナーを業としている。物件オーナーから「建物をどう活用したらいいか」という相談を受け、建物や環境、オーナーの状況に応じて活用方法を提案し、使う人を募り、その後の運営・管理までを一括して一人で行っている。特に、東京で市場創成期から、シェアハウスやDIY賃貸事業の実務を数多く経験し、それらの利活用を得意とする。そこで、京都らしいシェアの形として、「高齢者夫婦の家の一室に若者が住む」という、次世代下宿のマッチング事業を始めた。従来の下宿とは異なり、趣味や仕事など共通項を重んじたマッチングや、内装をデザインするなど現代に即した付加価値を創出する。「暮らし方の文化をつくる」ために、初年度は京都府と共同し、次年度以降は自主事業として、長期的に本プロジェクトを育てる所存である。

2016 シェアマネジメント場づくり
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