つくらさる世の中

北海道弁に「つくらさる」という言葉がある。「作ろうという前向きな気持ちが無くても、出来上がっていく」という意味だ。北海道は全国の中でも人口減少や超高齢化の先進地。そうした地域社会の維持や健全な縮小を行うためには、無理やり舵を切るのではなく、徐々に理想に近づいていく状態を作る事が重要だと考えられる。つまり「つくらさる」社会をつくる。そのためには、地域空間の診断を基として進むべき緩やかな道を提示するシステムづくりが求められており、まずは診断を可能とする空間特性の把握を行い、空間特性に作用している社会的・経済的・文化的要因を明らかにすることで、理想的な状態に近づいていくための条件が模索されている。

山崎嵩拓

山崎嵩拓

北海道大学 都市計画研究室 特別研究員
専門分野|都市
活動地|北海道内の郊外・地方中小都市
生まれ|1989

[現在のプロジェクト]

これまで、北海道の都市計画やまちづくりについて「プロの学生」として実践的に関わってきました。現在私は、教員が遠隔地にいる研究室に、唯一の博士課程学生として所属しています。そのため、学生ですが研究室運営を担う機会に恵まれています。都市計画研究室では、現在3つのプロジェクトを並行しており、例えば「離農住宅リノベPJ」では、北海道の農村地域で深刻化する離農への対応を目指しています。学生という身分を活かし、受託の範囲を限定せず、尾ひれのついた活動を行っています。住宅の改修計画をはじめ、収益事業のモデル、雇用するための枠組み作り、都市農村交流イベントの実践などです。この他、「郊外住宅地型エリアマネジメント」や「地方小都市の公共施設再編」といった様々なスケールの実践的活動を研究と並行して進める事で、日本がこれから迎える人口減少等の前提条件の変化に対応した、新しい知見を蓄積していく事が目標です。

2016 ローカリティ地方教育

山崎嵩拓

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