ソフト・メタボリズムの時代
1972年、田中角栄氏が『日本列島改造論』で描いた全総・新全総の構想が近年の新幹線開業をはじめとしてて国土の均衡ある発展の思想は、1980年代に世界を席巻したメタボリズムの思想とともにハード整備と経済の低迷により役目を終えたかのように思われていた。しかし、その後メタボリズムの思想はソフト事業へと展開し、田中角栄が構想した国土の均衡ある発展により支店経済都市”仙台”を生み出した。これにより日本には、転勤族という交流人口の文化が生まれ、現に年間数万人の転勤族が流動する都市が誕生した。反芻し続ける最小単位がつくりだす群衆としての転勤族は超個体であり、いわばメタボリズムの化身である。これらはソフト・メタボリズムの時代の予兆のひとつである。
大山宗之
国際航業株式会社
専門分野|都市計画
活動地|宮城県仙台市
生まれ|1987
「公共トイレ等適正配置計画~パブリックトイレ・アーキテクト(PTA)~」
総務省の通達により、全国の自治体では平成28年度までに公共施設の総数、延べ床面積及び維持管理費等について取りまとめる「公共施設等総合管理計画」を策定することとなった。
本提案では、計画運用に向け、最小単位の公共施設である公園トイレや公衆便所などを「公共トイレ」と定義した。
公共トイレは、一般的に公共施設整備や宅地開発の緑地確保のための街区公園整備によって副次的に整備されることが多いが近年、オリパラや訪日外国人観光客に向け政策として、公共トイレがまちの魅力や立ち寄る要因になり得ることから、自治体が建築家やデザイナーと共同設計し、主体的なまちなみ形成施設として整備される事例も増加傾向にある。
本提案では、自治体内にある公共トイレの維持管理費、半径500m圏内の立地等現況を整理し、計画段階から建築家等と公共トイレの在り方を検討した上で、諸政策の実現に向けた計画を図ることを目的とした計画を提案している。
KOKUSAI KOGYO CO.,LTD.