Public Relations再考
広報を意味するPR(=Public Relations)という言葉。嗜好も志向も多様化した現代において、建築におけるPublic Relationsの役割とはなんでしょう?設計・建設プロセスの中で建築と人、人と人をつなぐアイディアをもったものが現れている事に萌芽を感じるように、建築を介したメッセージの伝え方・伝え先が多様化する未来はもう始まっています。建築の世界においてメディアは批評を生むためにある、それは建築という文化が花開いて以来ずうっと培われてきた豊かな土壌で、揺るぎない。一方で、多忙な建築家が馴染みある型にのせて作品をパブリッシュしてしまいがちな事は実は、私達の中にわだかまる「業界外への伝わらなさ」の正体のようにも思えます。
構造設計や写真撮影を専門家にお願いするように、伝えたい人に伝えるべき事が届くようサポート出来る人がいても良いのでは。メディアや批評が建築という文化の山を高く大きく更新していくものならば、Public Relationsはその山の裾野を広く大きく耕していくものだと思っています。
藤末 萌
フリーランス
専門分野|PR / マネジメント
活動地|横浜、東京、松戸
生まれ|1987
大学院卒業後、DESIGNTIDE TOKYO 2012事務局アシスタントを経て飯田善彦建築工房に入社。併設されている建築系ブックカフェ「Archiship Library&Café」の店長として企画・運営を担当、「設計事務所をまちにひらく」活動を行なってきました。様々なイベントのコーディネートや書籍の出版業務を通じて建築とそのまわりをつなぐ楽しさに目覚め、退社後の2016年よりフリーランスとして建築系のイベントやプロジェクトのPR・マネジメントを行なっています。
現在は千葉県松戸駅前にある元ラブホテルを活用したアーティスト・イン・レジデンス「PARADISE AIR」の広報・運営や、2017年横浜にてオープンを目指すスポーツをテーマにしたクリエイティブスペースの運営事務局立ち上げ、東北復興の地を自転車でめぐるイベント「ポタリング牡鹿」や本企画「パラレル・プロジェクションズ」の事務局等、建築を主軸としたさまざまな出来事のお手伝いをしています。どこか一つの団体に所属しないからこそ出来る、建築系PRのあり方を探っているところです。
Archiship Library&Café / PARADISE AIR / ポタリング牡鹿2016