坪内健
北海道大学
専門分野|建築計画
活動地|気仙沼市小泉地区
生まれ|1991
[現在のプロジェクト]
東日本大震災に伴う集団移転事業を対象に、住民発案の計画で注目を浴びた気仙沼市小泉地区をフィールドとし、事業終了後も継続的に地域へ関与し、住民へのインタビューや、移転地にある共有地の利用を促すイベントを行うアクション・リサーチを続けている。
移転事業において住宅再建の中心を担った世代は、先祖から代々受け継いだ土地を守る意識を持った人々が多い。しかし、過疎化や限界化を目の当たりにする次の世代が同様の意識を持ち続けているだろうか。多くの住民が恒久住宅に入居したことでようやく安堵していると口にする中、今後の集落の存続をめぐる課題は深刻である。
東北の復興は今もなお道半ばだ。土地への定着を宿命づけられる建築に携わる者こそ、被災地の変化に寄り添い、住民の環境への安定した定位を実現するための実践を自ら生み出す姿勢が重要ではないか。その際、是非とも建築の“動かない”ことの積極的な意味を見出していきたい。