反射するまなざし

過去へのまなざしは井戸の奥底に溜まった水鏡が空を映し出すように、未来をまなざすことができるのではないかと考えます。私が美術作家でありながら建築に大きな関心を寄せているのは、建築に内包される時代性や政治性を紐解いていくことで文化、芸術の他にも政治や産業など世界のあらゆる構造を覗き見ることができるからです。人間の発展史のようなものが建築を通して見ることができるのであればネガティヴな歴史の側面も見ることができます。
これらの歴史を通して見えてくる接続項をつなげ、一つの作品として提示することで建築や芸術の区分けされた認識や活動に別の視座をもたらすことができるのではないかと考えています。

Photo by Hajime Kato

鎌田友介


専門分野|建築/現代美術
活動地|神奈川県横浜市
生まれ|1985

[現在のプロジェクト]

[ Nameless House ]という日本家屋のリサーチを元にしたプロジェクトに取り組んでいます。現代の日本に存在する日本家屋、まだ台湾や韓国に残っている日本統治時代の日本家屋、そしてアメリカの空爆実験用にユタ州に建設された日本家屋。同じ形をした日本家屋が時代や場所を替え、様々な意味合いを孕んで存在してきたことにフォーカスし、これらの歴史を重ね合わせ、建築というものが表象化する意味の多面性について問いかけるプロジェクトです。現在を生きる人々と共に近代化の過程で生じた歪みについて考察できたらと考えています。

2016 海外職能の拡大

Hajime Kato / Nobutada Omote

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