つくり方から変えていく

既存超高層ビルを居ながら改修し、長周期地震動対策を行うことでより長く使い続けること。その対策がより短い期間、より少ない工事で実現できれば、リニューアル市場もますます活性化する。工事現場での作業が多いためにまだまだ生産性が悪いと言われる一方で、そこにはまだまだ挑戦する面白さ残っている分野だと言える。今までは生産性を向上させる方法として、よりシンプルにすること、標準化することがひとつのアプローチだったが、その生産方法が変わればその発想も新しくすることができるだろう。3Dプリンタの登場など生産方法の違いにより、より多様なモノづくりが試行されている。建築主の多様なニーズにひとつひとつ丁寧に応え、建築のモノづくりの良さを活かしながら、今までの発想に捉われない生産方法で建設されていく社会がすぐそこまで来ている。

山﨑和宏

株式会社竹中工務店 東京本店設計部
専門分野|構造設計
活動地|東京
生まれ|1980

[現在のプロジェクト]

社会的背景としてCO2削減など環境への配慮が求められる中で、構造設計分野では、建築主からは①今あるものをより長く使える技術、また建設現場からは②生産性を向上する技術、のニーズが高まっています。

①超高層ビルのリニューアルでは長周期地震動対策を行いました。既存ビルを居ながら改修できるよう、超高層ビルの狭い屋上に載るコンパクトなデュアルTMDを開発しました。TMDの重りには積層した鉄板をボルト接合とすることで、運搬・組立が容易で、解体時には再利用が可能なディテールとしています。

②基礎構造は上部構造と違い形状が複雑で工業化が難しい部分です。そこで、杭頭の形状を統一しプレキャスト化することで、現場作業を軽減し短い工期で施工可能です。今後も形状をよりシンプルにし、軽量化を図るなど、更なる改善を行っていきます。

既存しストックを効率良く、長く使い続けて行く技術、そして、新しいものをより効率良く生産していく技術が今後ますます求められるのではないかと感じています。


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