中途半端さ
「中途半端」という言葉はネガティブな意味合いが強いですが、設計手法として、あえて挑戦的に、ポジティブに捉えられないだろうか。例えば、目指す建築の姿としては、「AでもなくBでもなくCでもなく・・・(ネガティブな表現)」ではなく「AでもありBでもありCでもある・・・(ポジティブな表現)」です。昔から、このような建築の姿、部位は、例えば、「余白」「中間領域」・・・等とも呼ばれてきたかと思いますが、あくまでも部分的であり、全体を貫くコンセプトとしては、なかなか少なかったかと思われます。あるいは、排除されてきたのかもしれません。「中途半端」をメインコンセプトに置き、あらゆる局面、ルールの中に、ポジティブに適用することは、どういうことか、判断が一定の解釈に回収されないような状態とは、どういうことか、考えてみたいと思っています。
笠島俊一
bask design
専門分野|意匠
活動地|東京都
生まれ|1980
bask designという名称の一級建築士事務所を主宰しています。現在は、友人知人の紹介などにより、新築の住宅プロジェクトが、2、3件ほど動いています。仕事を得た経緯や、自身の年齢・経歴なども要因ですが、数年前に独立した当初から、建設費高騰の問題に苦しめられています。そうなると、ローコスト設計、合理的な設計を求められる傾向があるかと思われます。例えば、コストと合理性だけを求めるのであれば、AI(人工知能)による設計が、将来必ず有効になるでしょうし、その点での勝ち目は全く無いと考えております。よって、同じ条件であっても、AIではできない設計を如何になしうるか、ということを争点として、そのようなコンセプト、設計手法を探っています。
石田篤写真事務所