小松の“石”の産地を巡る
観音下町と滝ヶ原町の過去と現在、そして未来
石川県小松市では、平成28(2016)年度に、日本遺産「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石文化~」として、石切り場や遺跡、石橋、石蔵など市内31の構成文化財が認定されています。小松市産の石は、建築材料として用いられる日華石(観音下石)と滝ヶ原石、九谷焼の原料である花坂陶石などがあります。
日華石(観音下石)は、観音下町で見られる浮石質凝灰岩で、独特な黄色をしており、湿気や熱に強い性質があり、小松には、観音下石を使用した石蔵が多く残っています。また滝ヶ原石は、現在も採掘される緑色凝灰岩で、耐久性が高く、水に強い性質があり、滝ヶ原町には、明治から昭和初期にかけて造られた5つのアーチ石橋が現存しています。
観音下町と滝ヶ原町の住民ガイドにご協力いただきながら、石にまつわるエピソードとともに石切り場や石造の建築構築物を巡る石文化ツアーを実施します。石切りに関わる歴史や文化を知ることで、石と暮らしの可能性について考える機会とします。