あとち

展覧会

建築展覧会2025

あとち

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万博の跡地問題、空き家やゴーストタウンなど人がすまなくなった郊外の住宅地、乱獲や伐採によって破壊された自然、巨大資本が囲い込み撤退、荒廃した都市・領土、そして人類がいなくなった後の地球。今や身の回りには、何かをつくり出すための「敷地」以上に、何かの行為や出来事が終わってしまったのちの「跡地」が遍在しています。また、あらゆる場所は何かの跡地でもあるという事実。今こそ跡地から考える必要があるのではないでしょうか。本展では7組の作家が、作品をはじめ日々の実践を通じて<あとち>をいかに立ち上げることが可能か? について、ともに考え、表現する場を創出します。

Photo: 篠田優

開催概要

期間 2025年10月2日(木)~19日(日)10:00~17:00
会場 建築博物館ギャラリー内+中庭(東京都港区芝5-26-20)ほか
出展者 大野友資(ドミノアーキテクツ代表)、篠田優(明治大学助教)、山崎嵩拓(東京大学特任講師)、森山泰地、出原日向子、森藤文華+葛沁芸(2.5 architects共同主宰)、綱島卓也
キュレーター 川勝真一(建築センターCoAK代表理事)
桂川 大(STUDIO 大/おどり場代表)
対象 どなたでもご参加ください。
参加費 無料
申込み 事前申込み不要。直接会場へお越しください。
協賛 建築センターCoAK
備考 会期中にさまざまなイベントを実施します。最新の情報は、本ページをご覧ください。

出展者紹介

出原日向子(いずはら・ひなこ)

編集者、出版レーベル盆地Edition主宰。1989年京都生まれ。京都工芸繊維大学造形工学課程卒業、東北大学大学院工学研究科修了。建築・都市を扱う編集プロダクションを経て、2019年晶文社に入社。2025年よりフリーランス。主な編集書に板坂留五『半麦ハットから』、湯浅良介『PATH』(ともに盆地Edition)、重永瞬『Y字路はなぜ生まれるのか』、レスリー・カーン『フェミニスト・シティ』、元木大輔『工夫の連続』(ともに晶文社)など。

大野友資(おおの・ゆうすけ)

DOMINO ARCHITECTS代表/FICCIONES所属/東京藝術大学非常勤講師/一級建築士
1983年ドイツ生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、東京大学大学院修士課程修了。カヒーリョ・ダ・グラサ・アルキテットス(リスボン)、ノイズ(東京/台北)を経て2016年独立。2011年より東京藝術大学非常勤講師、2023年より東京理科大学非常勤講師を兼任。

篠田優(しのだ・ゆう)

1986年長野県生まれ。2021年に明治大学大学院建築・都市学専攻総合芸術系博士前期課程修了。現在、明治大学理工学部建築学科助教。写真やヴィデオを主なメディウムとして使用し、「記録」の実践と再考をテーマとして制作をおこなっている。それは、今まさに目の前から消えつつあるものに対する率直な応答であるとともに、そのような行為と不可分にある恣意性や限界、そしてそのことから陰画的に示されるはずの可能性を問うという、ポリフォニックな実践として遂行されている。
近年の個展に、「Garden | Medium」(Alt_Medium、2025年)、「Fragments of the place 2017-2019」(kanzan gallery、2024年)など他多数。主な受賞に塩竈フォトフェスティバル2013写真賞大賞がある。

綱島卓也(つなしま・たくや)

1995年神奈川県横浜市生まれ。2020年京都工芸繊維大学大学院 デザイン学専攻 博士前期課程修了後、京都を拠点にフリーランスとして活動をはじめる。
学術系の出版物および展覧会周辺のグラフィックを、主な実践の対象とする。印刷物の物質的価値と誌面上のタイポグラフィという二軸を中心に、エディトリアル/グラフィックデザインの可能性と表現を日々模索している。
京都精華大学デザイン学部/メディア表現学部非常勤講師。
エディトリアル・コレクティヴ「山をおりる」メンバー。

森藤文華+葛沁芸(2.5 architects共同主宰)

女性建築家2人による一級建築士事務所。自然や風景、場所性といったキーワードを手がかりに、建築を越境しながらリサーチ・ベースドな制作活動を分野横断的に行っている。
東京湾の埋立地をテーマとした作品として、ヌトミック×2.5 architects「しらふの地先へ」(東京、2024年)、「青海三丁目 地先の肖像」(東京ビエンナーレ、2021年)、などをこれまでに発表。「地先リサーチクラブ」の活動を通じて、様々な人を巻き込みながらリサーチを継続している。

森山泰地(もりやま・たいち)

1988年東京生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。
自然環境下でのアースワーク的な作品や、自然物を用いたインスタレーションを主に制作している。
取り扱う素材は石や木などの自然物の他に、海岸に落ちているプラスティックや、街中のコンクリート片なども多い。
近年はこれらの素材を用いた平面、立体作品も制作している。また、海や河川などの水上に舞台を立てて、その上で自らが水神となって行うパフォーマンス「水神」や、カミキリムシを木の中で生かしその痕跡に着彩するという父親の作品をそのまま継承したシリーズ「trace」なども行っている。また、アーティストユニット「鯰」のメンバーとしても活動している。主な展覧会に「木を見て森を見る」(Kana Kawanishi gallery,東京,2021)、「木を見て森を見る」(DEN5,東京,2017)、「尊景地水」(BLOCK HOUSE,東京,2016)などがある。

山崎嵩拓(やまざき・たかひろ)

1991年生まれ。道産子。博士(工学)。東京大学特任講師。ソトノバ・パートナー兼Green Connection Tokyoアドバイザー。探求している専門分野は「アーバンネイチャー:都市での自然との関わり合い」。現在の研究キーワードは、AI、鳥のさえずり、保育園児のお散歩、スケートボーダー、コインパーキング、微生物など。多様な専門分野から抜け落ちている“外側”の重要テーマに取組んでいる。編著書に『タクティカル・アーバニズム(学芸出版社:2021年)』、共著書に『都市を学ぶ人のためのキーワード事典(学芸出版社:2023年)』『パブリックスペース活用事典(学芸出版社:2023年)』ほか。


会期中のイベント

TALK EVENT 01

登壇者:篠田優+松井正(長野県立美術館学芸員)+キュレーター
日時:10月11日(土)17:00~

ゲスト:松井正(まつい・ただし)
長野県立美術館学芸員。1989年、サンパウロ生まれ。2015年、東京藝術大学大学院映像研究科修了。長野県信濃美術館(2015–)、京都芸術センター(2018年)を経て、2018年より現職。映像、メディアアートを専門に展覧会等の企画を行う。主な企画に「Marginalia」(2017年)、「新美術館みんなのアートプロジェクト Something there is that doesn’t love a wall―榊原澄人×ユーフラテス」(2021年)、「第Ⅱ期みんなのアートプロジェクト成果展 配置訓練 細井美裕+比嘉了」(2023年)。準備中の企画に「北島敬三写真展 借りた場所、借りた時間」(11/29–)。

SCREENING

登壇者:篠田優
日時:10月11日(土)18:00~(予定)
※17:00からのトーク後、篠田氏の映像作品を上映予定

TALK EVENT 02:地先リサーチクラブ

登壇者:2.5 architects+市川紘司(東北大学助教)+キュレーター
日時:10月18日(土)13:30~(13:00開場)
定員:15名
※要事前申込み。以下のフォームからお申込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4h9Gzy7uDlYPfEbW_oOC2AJcryNyMlfZykp6Up53Pwp2c5A/viewform

ゲスト:市川紘司(いちかわ・こうじ)
1985年東京都生まれ。建築史家。博士(工学)。東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻助教。東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手、明治大学理工学部建築学科助教を経て現職。2013年~2015年、中国政府奨学金留学生(高級進修生)として清華大学建築学院留学。著書に『天安門広場──中国国民広場の空間史』(2022年日本建築学会著作賞)、『建築をあたらしくする言葉』(共編著)。翻訳書に王澍『家をつくる』(共訳)など。

TALK EVENT 03:出展者リレートーク

登壇者:全出展者+キュレーター
日時:10月19日(日)13:00~(予定)

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