建築学生解体新書

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学生ワークショップ2022

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学生コンペに対する解剖と挑戦

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 建築学生の変遷を追い、今後の建築学生のあり方を模索するために、歴代の建築学生コンペに注目したワークショップを2日間にわたり開催いたします。歴代のコンペの変遷をリサーチして可視化する「リサーチ部門」と、過去の歴史的コンペに現役の建築学生が再挑戦する「設計部門」の二つを軸として、事前に仕上げたそれぞれの成果物をもとに、各世代の元建築学生を招いて多世代間の議論を深めていきます。
 ワークショップ1日目は、コンペの変遷に関するリサーチ部門のプレゼンと、設計部門の一次審査を行います。2日目は設計部門の最終審査と、それを踏まえた多世代ディスカッションを行います。
 2日間のワークショップを通して、過去から現在、そして未来の建築学生のあり方について考えます。各世代の元建築学生との親密な交流や議論から、建築学生に求められるものは何かを探っていきましょう。ワークショップの模様はどなたでもご覧いただけます。ぜひ、ご参加ください。

開催概要

日時 2022年10月22日(土)、23日(日)9:00~19:00
開催地 建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)およびリアルタイム動画配信
講演者 古谷誠章(ナスカ代表取締役/早稲田大学教授)
五十嵐太郎(東北大学教授)
山田紗子(山田紗子建築設計事務所代表)
山本 至(itaru/taku/COL.共同主宰)
板坂留五(RUI Architects主宰)
詳細 学生ワークショップ2022専用Webサイトをご覧ください。
https://archigakuseiws2022.wixsite.com/workshop
問合せ 学生ワークショップ2022専用アドレス E-mail:archi.gakusei.ws.2022@gmail.com

ポスター

開催レポート

本企画は、建築文化週間の一環として、有志で集まった学生が主体となって、毎年新たなイベントを企画・運営するものである。
今年は慶應義塾大学、静岡文化芸術大学、静岡理工科大学、名古屋工業大学という4つの大学から実行委員の学生が集まった。今後の建築学生のあり方を模索することを目標に、過去に実際に行われたさまざまな学生設計コンペの課題文を引用して、その結果が分かっている状態で、あえて同じコンペを再び行うという、過去に類例がない形式の設計コンペを、10月22日(土)と23日(日)に建築会館ホールにて対面およびオンライン(Zoom)を併用して開催した。このような形式により、過去と現在の建築学生の環境の違いが見えてくるのではないかと考えた。同時に、建築学生に関連したテーマについてのリサーチも行った。本ワークショップを通して、過去から現在、そして未来の学生のあり方について考え、各世代の元建築学生との親密な交流や議論から、建築学生に求められるものが何かを探っていった。

DAY1(10月22日)
1日目は、4大学および建築学生サークル♭による5つのリサーチ班によるリサーチ発表が行われ、各大学の教員らを対象にコンペに関するインタビューを行った結果が報告された。会場では、各グループがリサーチの発表者と聴講者に分かれて組み合わせをシャッフルしつつ、学生同士で意見交換するとともに、審査員の五十嵐太郎氏(東北大学教授)、山本至氏(itaru/taku/COL.共同主宰)、板坂留五氏(RUI Architects主宰)にも発表を聞いていただき、リサーチへの講評やアドバイス、意見等をいただいた。
こうした過程を経て、リサーチ成果をブラッシュアップして最終発表を行ったうえで、審査員からは多数の貴重なアドバイスをいただいた。そもそもコンペに関するリサーチ方法がインタビューだけでよかったのか? など、批評的なコメントを多数いただき、イベントの目的と手法に関する問いかけもいただいた。しかし、こうした運営に関するコメントも得られるという経験こそが、今後につながるような機会になったと感じる。

DAY2(10月23日)
2日目は、過去の歴史的な学生コンペをもう一度行うという、新たな形式であるコンペの審査講評を行った。五十嵐氏の助言を得ながら今回選んだコンペは、第26回セントラル硝子国際建築設計競技「EAST MEETS WEST」、第24回日新工業建築設計競技「エッジに住む」、第8回エス・バイ・エル住宅設計競技「モナ・リザの家」、第14回TEPCO快適住宅コンテスト「ダメハウス」の4つであり、11作品が集まった。
コンペの審査員として、五十嵐氏、山本氏に加え、古谷誠章氏(ナスカ代表取締役/早稲田大学教授)、山田紗子氏(山田紗子建築設計事務所代表)にお越しいただいた(一日目のみの参加となった板坂氏からも、事前に審査コメントをいただいた)。締切の関係で応募作品が決して多くはなかったことから、審査員の先生方から一作品ずつ丁寧な講評をいただくことができ、ほとんどエスキスを受けるような密度の濃い時間となった。
応募者全員のプレゼンのあと、審査員からの質疑応答に加えて、温かく丁寧な意見や助言を多数いただいた。昼食後に審査員より投票をいただき、それをもとに最終審査を行った。
特に票を集めたのは、『ダメ<ヨイ?~先住民の虫と虫がダメなちーちゃんの共生生活』、『エッジに作る秘密基地 -都会の子供のための空間-』、『のぼる・ひろがる』、『House of storytelling』の4作品であった。質疑応答を踏まえて再度投票があり、最終順位が決定した。結果は以下のとおりとなった。

1等 鈴木晴也(日本福祉大学)
『ダメ<ヨイ?~先住民の虫と虫がダメなちーちゃんの共生生活』
2等 八代 翔(東京電機大学)
『エッジに作る秘密基地 -都会の子供のための空間-』
3等 山根 遥(大和大学)
『のぼる・ひろがる』

審査員賞
古谷誠章賞
山本太智(新潟大学大学院)『House of storytelling』
五十嵐太郎賞
熊田知優(静岡文化芸術大学)『~和洋折衷~モナ・リザハウス』
山田紗子賞
印南学哉(名古屋工業大学)『Lisa del Giocondo』
板坂留五賞
八代 翔(東京電機大学)『エッジに作る秘密基地 -都会の子供のための空間-』
山本至賞
森 恭彰(大和大学)『時に怠け、心の暖を取る暮らし』

結果として、決して大規模のコンペティションではなかったが、その分、密度の濃い時間になったのではないか。審査員の先生方と近い距離でお話しができた貴重な機会として、コンペとリサーチの両部門ともに、普段は経験することのできない時間になったと感じる。
最後にこのような貴重な機会をくださった、建築文化事業委員会各位、ご支援くださった協賛企業各社、審査員の古谷誠章氏、五十嵐太郎氏、山田紗子氏、板坂留五氏、山本至氏の皆様にこの場を借りて御礼申し上げたい。また、遠方やオンラインから参加いただいた方々、直接参加いただいた方々にも、今一度感謝申し上げる。

<実行委員>
慶應義塾大学(梅澤愛理・池田勇斗・川崎なつか・佐藤紅彩・角田大・高井駿瑠・吉野果林)
静岡文化芸術大学(篠田泰成・松本文典・酒井駿太・坂本都波・村田奈津美・吉田有希)
静岡理工科大学大学院(有田晃己)
名古屋工業大学(金子樹生・大澤葵・鳴瀧康佑・梶田龍生・伊藤亮太・加藤唯・松永理沙・田尻翔梧・三輪華奈子)

[松本文典/静岡文化芸術大学2年]

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