地震への備えと構造

シンポジウム・講演会

開催終了

地震への備えと構造

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今後30年以内に80%以上の確率で発生するとされている、南海トラフを震源とする超巨大地震に対してはできる限りの備えが必要です。公共建築物は社会インフラの耐震化を進めていますが、果たして十分といえるのでしょうか。地震に対しての備えが十分でなかった場合どのようなことが起こるのか、その事例を含めて紹介し、今後の建築構造のあり方について幅広く検討する機会とします。

開催概要

日時 2025年10月4日(土)14:00~16:30
会場 TKPガーデンシティPREMIUM広島駅前5階 カンファレンスルーム5A(広島県広島市南区大須賀町13-9)
講演者 三浦弘之(広島大学教授)ほか
対象 どなたでもご参加ください。
定員 40名(申込先着順)
参加費 無料
申込方法 中国支部Webサイトの専用フォームからお申し込みください。
https://chugoku.aij.or.jp
主催 日本建築学会中国支部構造委員会
問合せ 呉工業高等専門学校 建築学科 松野一成
E-mail:matuno@kure-nct.ac.jp
活動レポート

1.はじめに

今後30年以内に80%以上の確率で発生するとされている南海トラフを震源とする超巨大地震に対してはできる限りの備えが必要である。公共建築物は社会インフラの耐震化を進めているが果たして十分といえるのだろうか。地震に対しての備えが十分でなかった場合どのようなことが起こるのか,事例を含めて紹介し,今後の建築構造の在り方について幅広く検討する機会として,日本建築学会中国支部構造委員会が表題の講演会を主催した。

 講演会は2025年10月4日(土)14:00から16:20に,広島県広島市南区大須賀町のTKPガーデンシティPRENUUM広島駅前5階のカンファレンスルーム5Aで開催され,定員40名に対し,合計35名が参加し,講演者等も含めると満員となった。講演会は2部制で実施された。

会場の様子

2.第一部講演会

第一部の講演会では,広島大学の三浦弘之先生に「次なる大地震への備えのための強震動予測と災害対応の最新技術」と題した基調講演を行った。
 2024年能登半島地震の被害と教訓,事前準備のための強震動予測技術について,早期対応のための人工衛星画像を用いた災害把握技術について,の3部構成で講演され,1部,2部では地震による被害の甚大さと予測の難しさを改めて実感させられただけでなく,被害を低減させるための備えがいかに重要かを実感できた。
 3部の災害把握技術では,ご自身の研究内容を詳しく紹介いただき, 2024年1月の能登半島地震,2025年3月のミャンマー・マンダレーでの地震被害と照会された成果をご発表いただき,その精度については目を見張るものがあった。
 時間の制限はあったが,講演終了後には聴講者から質問があり,丁寧にご回答いただけ,盛会のうちに基調講演は終了した。

基調講演

3.第二部講演会

 第二部は広島県職員の方々に,「南海トラフ地震への広島県の備えについて」というタイトルで講演をいただいた。
 南海トラフでの地震が発生した場合の広島県内の被害想定から始まり,広島県が進めている耐震化100%に向けての様々な施策をご紹介いただいた。加えて広島県内に大きな被害を与えた過去の地震も紹介され,自身が少ないと思い込んでいる参加者が驚かされた場面がみられた。また講演の中で建築基準法の改正について触れられ,耐震設計にとって大きな転機となった1981年の改正,いわゆる新耐震設計,新耐震基準の経緯を詳しく知ることができ,参加した学生にとっては大変有意であった。

広島県による講演

 続いて地震直後に活動が求められる被災建築物応急危険度判定について,2016年熊本地震での広島県の判定士の活動報告を含めて紹介いただいた。現在,判定士の数が少なく,一人一人に多大な負荷がかかっていることが紹介され,参加している建築を学んでいる学生たちに,判定士への登録を促されていた。参加した学生の中から判定士が誕生すると本会の意義があったといえるのではないかと思われる。

 こちらの講演後も質問が相次ぎ,もう少し長く時間を設定すべきだったことが反省点として挙げられ,次回以降の企画に活かしたい。

[松野一成/呉工業高等専門学校教授]

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