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カルチベートトーク2022

VR・メタバース

社会が変わるビジュアライゼーションの今

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 日進月歩のVR・MRなどのビジュアライゼーション技術により、メタバースなどの様々な新しい価値観や概念の変革が起きつつあります。今回、VRアーティストとして国内外で多種多様なアート作品を制作し、2021年にはそのVR作品が約1,300万円で落札され、『2021 Forbes JAPAN 今年の顔100人』に選出されたせきぐちあいみ氏と、日本マイクロソフトでメタバース、サイバーフィジカルシステム、AIを専門としたテクニカルアーキテクトとして活動し、最新技術のエバンジェリストとしても多くの講演で登壇されている鈴木あつし氏を招き、VR・MR・メタバースなどの最新技術による、近い未来に起きるコトについて語ります。

開催概要

日時 10月26日(水)18:30~20:00(開場18:00)
開催地 建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)およびリアルタイム動画配信
講演者 せきぐちあいみ(VRアーティスト/クリーク・アンド・リバー社所属)
鈴木あつし(日本マイクロソフト社シニアテクニカルアーキテクト/NEDO技術委員/上智大学非常勤講師)
モデレーター 濱野裕司(竹中工務店)
対象 どなたでもご参加ください。
定員 建築会館ホール 100名(申込先着順)
動画配信 制限なし(事前申込み不要)
参加費 無料
申込方法 建築会館ホールへの参加者: 日本建築学会Webサイト「催し物・公募」欄よりお申し込みください。
視聴方法 動画配信での参加者: 日本建築学会Webサイト「催し物・公募」欄に記載のURLよりご覧ください。

開催レポート

今年のカルチベートトークは、「VR・メタバース─社会が変わるビジュアライゼーションの今」と題して、10月26日(水)に建築会館ホールおよびYouTubeによるリアルタイム動画配信にて開催した。参加者は計182名(うち動画配信147名)であった。

現在、日進月歩のVR・MRなどのビジュアライゼーション技術により、メタバースなどの様々な価値観や概念の変革が起きつつある。カルチベートトークとして何やら難しい内容にならないためにも、この道のトップランナーとして活躍中のせきぐちあいみ氏(VRアーティスト/クリーク・アンド・リバー社所属)と鈴木あつし氏(日本マイクロソフト社シニアテクニカルアーキテクト/ NEDO技術委員/上智大学非常勤講師)を登壇者に招き、モデレーターは建築文化事業委員会委員の濱野裕司(竹中工務店)が務めた。

せきぐちあいみ氏は、VRアーティストとしてアート作品制作やライブペイントのパフォーマンスを国内にとどまらず世界各地で行っている。2021年3月に同氏のNFT作品が約1,300万円で落札されたことでも話題を呼び、2021年の「Forbes JAPAN 今年の顔100人」にも選出されるなど幅広く活躍されている。一方で、福島県南相馬市でのチャリティイベントや神社とのアートプロジェクトにNFTを活用する等のVRアートの普及活動に加えて、その著作権の保護等についても様々に取り組んでおり、TV等マスメディアでの出演も大変多いなか、難しく考えがちなVRの世界をより身近にしていただくべく、今回登壇をお願いした。一方、鈴木あつし氏は、日本マイクロソフト社でメタバースやサイバーフィジカルシステム、AIを専門としたテクニカルアーキテトとして活動されている。年間150回以上の講演会やプレゼンテーションに登壇し、月刊ブレーンやThe Next Technology等に取材記事が掲載されるなど、デジタルトランスフォーメーションやサスティナビリティなどの企業の経営課題を解決するためのテクノロジーについて、多くの講演会等でやさしく解説されている。

今回のカルチベートトークでは、まずは鈴木氏より、VR・MR・AR・メタバースなどの基本的な用語、概念、現在の技術的な説明から、この世界を取り巻く最新の社会環境について、実際に会場へVR機材等を持参いただき、せきぐち氏にも協力いただきながら大変やさしくご説明いただいた。その流れのなかで、百聞は一見にしかず、せきぐち氏に実際にライブで「VRアート作品」を描いていただくという、素晴らしいパフォーマンスを実演していただいた。参加者のほとんどがメタバースへの知識と関心が高いZ世代では無いと想定されたが、せきぐち氏の動きのある美しく圧倒的なVRパフォーマンスにより、瞬く間に躍動的で美しい鳳凰が仮想空間内に誕生するさまに、驚きと興味をもっていただけたと感じる。また、使用機材が比較的手が届きやすいMeta社のバーチャルリアリティヘッドセット「Meta Quest 2」であったことからも、VRがより身近な世界になってきていると実感していただけたのではないだろうか。

その後、VRの世界やメタバースに取り組むきっかけなど、個人的で興味深く楽しいエピソードを両氏からお話いただいた。加えて、モデレーターの濱野より、デザインの段階から施工の分野まで、現在建築の実際の現場でVR等の技術が使われている状況について、映像とともに実例を紹介した。現在は建築デザインの初期段階から、CGパースなどのビジュアルだけでは無く、BIMを中心とした様々なシミュレーション技術によって、環境性能や施工性などの多様な検証がなされ、建築計画が決定されていくプロセスや、施工においてもVR技術やロボテックス技術などで省人化、効率化が図られていることを説明した。その後、メタバースと建築の今後について3人で話が進められたが、ゲームの世界で飛躍的な進化を遂げているこの技術は建築にとっても大変相性が良く、今後技術の開発と展開がさらに加速し、建築に関わる色々な場面でも活用されるだろうとの認識で一致した。

今回、VRやメタバースの世界がより身近になることを予感させると同時に、建築の領域をも含めた、近い未来に起きる「コト」や「価値観の変化」についても語られ、興味深いカルチベートトークとなった。

[濱野裕司/竹中工務店]

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