地域と世界を往還する調和思想

シンポジウム・講演会

レポート

地域と世界を往還する調和思想

エジプト・アンコール遺跡と富山の文化遺産への視座

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 北陸支部富山支所では、アンコール遺跡などのアジア古代建築の修復に取り組んでこられた建築史家・中川武氏をお呼びしてご講演いただきます。アンコールやエジプトなどアジアの古代遺跡と、同氏の出身地でもある富山の文化遺産について、それらに通底する見方や考え方についてお話しいただきます。富山の今後の建築文化を考える貴重な機会です。是非、ご参加ください。

開催概要

主 催 日本建築学会北陸支部富山支所
後 援 富山県建築士会、富山県建築士事務所協会、GREEN WIND ASIA
日 時 10月15日(土)14:00~15:30
会 場 富山県民会館およびオンライン
講演者 中川 武(早稲田大学名誉教授/博物館明治村館長/アンコール遺跡救済協力日本政府チーム団長)
対 象 どなたでもご参加ください。
定 員 100名(申込先着順)
参加費 無料
申込方法 E-mailにて「氏名・所属先・連絡先」を明記のうえ、お申し込みください。
申込先・問合せ 日本建築学会北陸支部富山支所事務局
富山県建築士事務所協会 土肥
E-mail:yoshikazu.doi@toyamajk.org

開催レポート

富山支所では、アンコール遺跡などのアジア古代建築の修復に取り組んでこられた建築史家の中川武氏を招いた講演会を、10月15日(土)に富山県民会館にて開催した。建築を学ぶ学生をはじめ、県内の設計事務所や建設会社の方、大学関係者や一般参加者など計58名が参加し、アンコールやエジプトなどアジアの古代遺跡と、氏の出身地でもある富山の文化遺産について、それらに通底する見方や考え方についてお話いただいた。
第一部では、中川氏がエジプト・アンコール遺跡にて長年取り組んでこられた事例が紹介された。エジプト・ルクソールのピラミッドの佇まいやその建造過程から見える「アジア的なるものの原型」について、アンコール・クメール建築の配置軸線に見る風土や伝統への配慮・関係性について、基壇の構成、排水への配慮から伺える自然との調和思想について、氏が修復してこられた事例をもとに紹介された。

講演会の様子

第二部では、エジプト・アンコール遺跡の持つ特質を、中国等の中心(帝国)からの文化を受容しながら、それらを地域独自のものへと消化しつつ重層的に蓄積されたものと捉え、文明の「中心-周辺-亜周辺」の歴史的関係を見る視点が提示された。このような視点から国内における北陸・富山の建築文化を捉え直すことによって、地域独自の建築文化を考えていくことが大切であると述べられた。
自然風土との関係性を考慮した調和思想、地理的な条件による歴史的関係から文化を捉える視点など、これからの建築のあるべき姿について大変示唆に富んだ内容であり、北陸・富山で活動する参加者の今後の指針となる講演会となった。

[森本英裕/レトロフィット合同会社代表、早稲田大学理工総研嘱託研究員]

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